恋愛を「発明」した国とも称されるフランスはどうであろうか。
花の都・パリのイメージで「恋愛意欲が旺盛な国」と見る人も多いだろうが、いわゆる「告白」文化は、フランスにはない。中央大学教授・山田氏の言葉にあった、「まずデートや食事に誘い、アイコンタクトやボディ・ランゲージから恋愛に発展する」という流れに近いようだ。
それを象徴するのが、意外なまでに「交際経験なし」が多いこと。
内閣府の調査(10年)で国際比較を見ると、20代の「交際経験なし」(未恋男女)は、日本で27%。他国では、スウェーデンが20%、韓国17%、アメリカに至っては8%弱しかいない。これだけ見ると、日本だけが突出して多く見える。
ところがフランスに目を向ければ、日本よりさらに多い28%。30代でもさほど減らず、日本(23%)とほぼ同率の22%が、未恋のままだ。
なぜ、フランスが?
20代の頃、フランスに留学していた友人の話だ。彼女には食事やセックスを楽しむ男友達がいたが、それまで一度も「恋人」と思ったことはなかったという。
「でもある時、彼が初めて”マシェリ”」って呼んでくれた。それで ”あ、恋人と思ってくれてるんだ”って分かって、嬉しかった」
マシェリは「私の最愛の人」の意味。これを言われれば、「私はステディなのかな」と実感できるが、「ジュテーム/愛しています」だけでは、確信が持てない。山田氏が言うとおり、「複数の人と同時並行で付き合う」のが前提だからだ。
告白文化がないフランスでは、「付き合ってるの? 友達なの?」が非常に分かりにくい。そもそも「マシェリ」以外にも、「モナーム」「モナムール」や、英語の「ハニー」に近い「モンシュー」など、愛情を込めた呼称が限りなくあって、その会話や駆け引き自体を楽しむのが、フランス流である。わざわざ頭を垂れて「付き合ってください」と告白するなんて無粋だ、とも考えるのだろう。
同じように「呼び名」の違いによって相手の本気度を測る、とされる国が、情熱の国・スペインやブラジルである。
スペインは、「アミーガ」が「ノヴィーア」に変わったら、ブラジルは「フィカンチ」が「ナモラーダ」に変わったら、それぞれ異性の友だちが「恋人」「かけがえのないパートナー」に昇格した、とみるよう(いずれも女性の場合)。
フランス同様、駆け引きしながら「え? いまなんて呼んだの?」と聞き返すなど、ちょっとスリリングな展開も楽しめそうだ。でも、恋愛にもコスパや合理主義をあてはめやすい日本の若者は、「まどろっこしい」「面倒くさい」と感じるかもしれない。
そしてもう一つ、告白なしに「友達か、恋人か」を知る方法として最近、欧米で注目されているセリフが、「一緒に住もうか」である。
スウェーデンとフランスはそれぞれ87年、99年に、男女(あるいは同性同士)の安定した共同生活と子作り(および結婚)を促進する法律(前者がサムボ、後者がパックス)を制定した。入籍に依らない同棲カップルでも、一定期間共に生活すれば社会保障が得られるという、いわゆる事実婚の後押しを始めた。
もちろん「一緒に住もうか」は、「入籍しないけど子作り(事実婚)してもいい?」という間接的な告白やプロポーズとも受け取れる。ただ、どちらか一方が意を決して告白するというより、カップル双方が結婚(事実婚)を前提に、「ねえ、(将来)試しに住んでみる?」と互いの意思を確認し合う、といったニュアンスだろう。
このほか、ドイツやイギリス、オーストラリアなども、一般には告白ナシで「まずは二人で食事したりセックスしたり、あるいは一緒に住んでみて、そこから本気で付き合うか、生涯のパートナーになるかを考えよう」とする国だとされている。
これらの国々では、恋愛と結婚は一直線上にあるものの、お試し感覚で同居・同棲し、その延長で事実婚を選択するカップルが決して少数派ではない。
内閣府の「国民生活白書」(05年)でも、すでに男性と共に暮す(同居)女性のうち、入籍せずに同棲・事実婚へと向かう20代女性の割合は、オランダ、フランス、オーストリア、フィンランド等で約5割、スウェーデンでは約6割にものぼっていた。
また12年のアメリカ商務省の調査で「婚外子」、すなわち法律婚以外の事実婚等で誕生する子どもの割合を見ても、スウェーデンやフランスで5割強、デンマーク、イギリス、アメリカ、オランダでも4割強もいて、いかに「同居→同棲→妊娠(出産)→事実婚」へと流れるカップルが多いかが分かる。
要はこれらの国では、「友達→恋人→結婚」の境界線が、日本ほど明確に分かれていない、ということ。どちらがいい、悪いではないが若者にとっては、「告白や入籍が当たり前」とされる日本ほど、恋愛や結婚のハードルが高くないのは確かだろう
ショパン・マリアージュ(釧路市の結婚相談所)
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